現 象ますます途方に暮れて……

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  それで……                                             


ングースカ異変を起こした物体の候補としては、彗星、小惑星(隕石)、未知の物体(現在知られていない性質を持つ彗星・小惑星を含む)、の3つがあります。現象別に最有力候補を選べば次のようになるでしょう。(私見ですが……)

   1.前兆現象 … 彗星
   2.飛行 … 小惑星
   3.微粒物質 … 彗星

   4.爆発後の光学 … 彗星
   5.力学的現象 … 彗星
   6.磁気異常 … 彗星
   7.熱現象 … 彗星
   8.気象現象 … 彗星
   9.植物への影響 … 未知の物体
 10.遺伝子への影響 … 未知の物体
 11.放射能の影響? … 未知の物体
 12.爆発のメカニズム … 彗星

 上記の1〜12までを破綻なく説明できる説は今のところ存在していないでしょう。私の中での多数決は彗星説になります。
確実なツングースカ物体の破片が発見されるまではどんな理論も仮定でしかありませんので、とりあえず彗星にしておきましょう。
ここでの彗星の核は厚い氷で覆われた岩石状のものが中心にあると仮定したものです。

クーリックの時代であれば「シベリアの奥地に隕石が落下して、その場所の永久凍土が融け南沼になった」と説明すれば事済んだでしょう。クーリックのような 隕石の掘り上げに熱意を持つ人間がいなかったら、事件は忘れ去られ、破壊された森林は回復し、遠く離れた異国にこの事件は伝わることはなく、私達も血迷うことなく平穏な生活ができた でしょう。

ツ ングースカ事件の結論は出た、と思われたことは歴史的に何度かあり、もう現地調査の必要はないとされました。しかし慎重な科学者達が「結論」を再確認に 現地へ赴き、予想外の更なる謎を背負い込んで科学者、特にロシア科学アカデミー・隕石委員会の面々を途方に暮れさせました。そのためソ連の最高国家賞であ るレーニン賞がほぼ内定していながら、取り消しになった隕石委員会の責任者もいます。

Fast の「ツングースカ・バタフライ」に主な要素を重ねたものが下図です。

batafly9

0:Fast によるツングースカ物体の経路とその延長 (1976 年に発表した修正値、Anfinogenov が求めた値もほぼ同じ)
1:Fast のバタフライ 2:Anfinogenov のバタフライ 3:Fast が求めた爆心地 (epifast) 4:Anfinogenov が求めた爆心地 (epijon)
5:閃光の中心 (Vorodyov,Demin 等) 6:Ostraya 山 7:古磁気の異常領域 (最大値) 
8:イッテルビウムの異常濃度領域 (最大値)、松と蟻の突然変異の最も明白な領域でもある 
9:森林の異常成長領域
11:「南の蹄鉄」 (この湾曲部は経路が南東-北西との証拠とする説がある)

上の図から何が読み取れるでしょう? いろんな想像が膨らみます。

大きなツングースカ物体の破片が発見される可能性は低いでしょう。
しかし、もしあるとすれば一番可能性が高いのはチェコ湖ではなく(その場所はイタリアのグループに任せましょう)、Fast が求めた爆心地(epifast) の西北西、 John Anfinogenov が求めた爆心地 (epijon) の周辺でしょう。この場所にある Ostraya 山の北西斜面の土壌はレアアースの濃度が異常に高いことが知られています。またOstraya 山西側のLvov沼はツングースカ事件前は湿地ではなく森林地帯であったことが判明しています。この場所のレアアース濃度も高く、ツングースカ物体の破片 の衝突により作られた沼である可能性が高いと思われます。
つまり、Lvov沼こそ
探査の第一目標とすべきです!

ツングースカ異変と同じような現象が起こらない限り全てが解明されることはないでしょう  (起きたら大惨事! 起きないことがいいのですが……)。

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