現 象>岩石・土壌の古磁気の異常> 岩石・土壌の古磁気の異常 |
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左図はBoyarkina等(*1)によるツングースカ異変地域における堆積岩の残留磁気偏角です。ツングースカ物体の 経路に沿って(経路を東南東―西北西と仮定して)磁化されており、西側の半径15kmでばらつきが大きくなっています。 1.爆心地
ツングースカ異変地域での綿密な調査の結果、古磁気の異常を示す領域の等残留磁気線はOstraya山の周辺で北西から北に及びます。この領域の外側では土壌の残留磁気はバックグランドとの違いはありません。 左の図は古磁気の異常領域を示し、もっとも強い領域はツングースカ物体の飛行経路の延長に沿っているように見えます。 The Tunguska Meteorite:A Space Phenomenon of the Summer of 1908
Victor Zhuravlev によって実行された計算は土壌表面の古磁気異常が1908年6月30日の局所的な地磁気の嵐の最初の局面を生成したのと同じ原因で生成されたという結論を導きました。Sidoras と Boyarkina によって測定されたツングースカ爆心地周辺の異常な残留磁気域を生成するためには地球の磁界よりも50〜60倍が必要ですが、供給源の高度が数kmであったなら500倍以上必要になるそうです。 ツングースカ事件以外に、隕石落下で地磁気の変化を惹起した例はないと思われます。観測精度が上がっている現在は火球の飛行時や、隕石の落下時に地磁気の変化を調 査するのも重要なことでしょう。 *1 Palaeomagnetic studies in the Tunguska meteorite fall
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