私は野草が好きで、とくに雪解けを待ちかねたように土色の芽を出すカタクリとコシノコ
バイモがいちばんいい。
(上の写真がコシノコバイモです) 1992年から気づいたのだが、ふつう花被が6枚だがそれよりも多い変種のカタクリが見られる。
最初に見つけたものは8枚のものだったが、あまりに整ったきれいな8枚の花被に奇形とは思えず。とりあえず1枚写真を撮ると急いで家に帰り野草図鑑を見
た。もしかしたら『カタクリ……花被は6枚と8枚のがある……』との説明が
あるのではないか、と思ったのだ。それまでも珍しい植物や昆虫の写真を撮ると長岡市立科学博物館に持ち込んだものだが、いつも決まって「ちょっと変わって
いますが、それほど珍しいものではありません」というのが学芸員の方の説明だった。今度も笑われるのを恐れてちゃんと調べたという訳。
再び8枚花被のカタクリの所に戻って写真撮影した。夕方でよく写っているか心配だったので、翌朝もう一度撮影した。出来上がったプリントを科学博物館に持
ち込むと、「はじめて見ました」と言う!!
苦節○○年やっと報われた。ついでに植物図鑑の著作がある先生にも見せると、はじめて見たし、はじめて聞いた、と言う。ほんとに珍しいものらしく新聞の地
方版に写真が載った。
それから注意してカタクリを見るようになったが、翌年には7枚のを1本見つけた。その翌年には7枚と8枚がそれぞれ5本以上も見つかった。以後、毎年がそ
うである、だいたいありそうなところが見当つくようになって、山へ行けば必ず見つけられるようになった。こうなると花被が6枚以上あるカタクリは珍しいの
だろうか、という疑問が出てきた。最近になって見られるようになったのだろうか。それとも私が行く限られたところに見られるのだろうか……。
1997 年4月19日、近くの山で花被が7枚と8枚のを4本ずつ見つけて帰る途中だった。西日の影で薄暗い斜面にカタクリがまばらに咲いていた。近づくとなんだか
おかしい。花の中心から花被が放射状に伸びているというより、花がピンク色にゴチャゴチャしている。2本の花が重なっているような感じがしたが1本だっ
た。
どきどきしながら花被を数えてみると10枚。これには驚いた、
が暗い、ストロボも三脚も持ってこなかった。場所をしっかりと頭に叩き込んで帰り、翌日撮影した。
7枚 8枚 9枚 10枚
9 枚のはその翌年に見つけたが、花が散る寸前の花被がしなびたものだった。きれいに咲いた9枚のものはそれから2年経ってから見つけた。今のところ9枚は3
本10枚は2本。7枚、8枚は数10本見つけたことになる。科学の先生の中には、このような花被の多い片栗は八重桜のようなものだから同じ株から毎年同じ
ように花被の多い花が咲く、というけれどそうはならない。最初に見つけた8枚のもの、10枚の2つの株からも、それからは普通に6枚の花が咲く。ひとつだ
け2年続けて(あるいはその前から?)8枚になった株があったが昨年は6枚に戻っていた。
花
被が11枚、12枚というのはあるのだろうか。何が原因で花被が多くなるのだろう。ツングースカ異変地域では突然変異で三葉化した松の比率が高いそうだが、
この地域で昔ツングースカと同じような事件があったの
だろうか……まさか……ね。
(追記) 10枚の花被をつけた株からは以後毎年普通に6枚になったと記したが、昨年二番めに見つけた10枚の株から 7枚の花被の花が咲いた。さらに今年は最初に見つけた10枚の株が7枚の花被をつけた。ということは多くの
花被をつけやすい株があるということなのだろうか。(2004.4)
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