隕石亭雉子星

Home   現象  名所案内  人名リスト  書籍   珍説奇説  類似現象   隕石亭雉子星  流星音

           この冬の雪は…                                              



夏も終わり遠くの木々が色つく頃になると、この冬の雪はどんなだろうという会話が多くなる。
どのくらい積もるかというのと、降雪の量をいっているのだが、初雪はいつ頃になるのだろうということも含んでいる。雪さえ降らなければ良い所なんだけ ど……、というのもよく聞く言葉なのだが。
それでも現実にこの豪雪地帯に住んでいるのは、雪の量を差し引いても自然の恵みを感じているからだ。
大雪・豪雪を何度となく経験しても、「大雪になりませんように……」と、この地方の人はほとんどが願っている。
そこで、なんとか雪の量を予め知りたいという願いが多くの諺を生んだのだろう。

    1.蛙が地面から浅いところで冬眠すると少雪
    2.南天が実を多くつけると大雪
    3.椿の花芽が葉に隠れるように付いていると大雪
    4.カメムシが多く発生すると大雪
    5.山に初雪が降ったときに、笠雪(山頂付近だけ雪がある)は大雪、蓑雪(山の裾まで雪がある)と少雪
以上5説は私がよく聞く雪の予想諺であり、他にも、キノコの生えかたとか、いろいろある。
各説の判断のしきい値がよく判らないのだがなんとなく自分にも予測できそうな気がしてくる。 とはいっても
カメムシが多いとは、どこに、どのくらいいたら多いというのだろう?
蛙が浅いところで冬眠していたら寒くなく暖冬で、雪も少ないというのかもしれないが……。雪は優れた断熱材だから大雪でも、少雪でも土の中の温度はそう変 わらないと思うのだが。それに蛙にも個体差があるし、多くの蛙の冬眠場所を調べないと真偽は判らない。
南天の実にしても、椿の花芽にしても、さあ庭の木を見てこの冬の雪の量を判断しろ、といわれてもできない。長年見ているが、毎年同じにしか見えないのだ。
なんとなくあたっているのではないかと思うのが5番目の説だ。この山とは中越地方の名峰守門岳(1538m)のことで、豪雪地の栃尾市、下田村、守門村、 入広瀬村の境界となっている。笠雪とは寒気の吹き出しが弱く標高の高い所だけ雪になった場合で、蓑雪は反対に寒気が強く山のふもとまで雪になったときで す。つまり蓑雪の場合は初冬に寒気が一度に出払ってしまい、その後の真冬の時期は寒気の蓄積期になり結果として暖冬になるということだろう。今年の初雪は 蓑雪だが、さて…… 

ところで、10年位前から有名に なったのがカマキリの巣で雪の量を予測するという説だ。カマキリが巣を地面から低いところに作ると少雪、反対なら大雪ということだ。この説はよくあたると いうことで、何年か晩秋の地方紙に載るほどだった。そればかりか気象関係の書籍の出版で有名なS堂書店から、この説の提唱者が『カマキリは大雪をしってい る』という本を出版することになったそうである。気象ブックスというのを100冊発行するのだそうで、その中の一冊としてである。1999年に1冊めが出 て、『カマキリは大雪をしっている』は近刊予定の5冊の中に入っていて華々しく宣伝されていた。是非読みたいと思っているのだが、いつまでたっても出てこ ない。他の4冊は予定通り出たのであるが。そして2000年の終わり頃になると6冊目として発行される予定が10冊目になり、2001年夏には発行予定か ら消えてしまったのだ。何故だろう? 出版社に問い合わせてみれば教えてくれるだろうか?因みに新潟地方気象台の方によるとこのカマキリ予報は、気象庁の 予報が出てから出るのだそうだ、つまり後だしジャンケンというか、気象台の予報も参考にしているのでしょうね。
2000年から2001年冬の北陸地方の寒候期予報(もちろん気象庁のです)は、気温は高く、少雪という予報だった。ところが2000年12月と2001 年2月の気温は平年並み、降雪量も平年並みで、1月は低温大雪となった……外れである。
カマキリがどんな予報をしていたのか残念ながら私は知らない。もしかしたら関係あるのかな、と勘繰っているのだが、まあ、カマキリにもいろいろ事情がある んでしょうね。 

Top に戻る