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このラジオは長波の100KHzからマイクロ波の3GHzまで受信できるので、流星がマイクロ波を発生させているかを
調べるため、6年前に観測用に買ったものだ。だが3GHzを受信してみると雑音が酷く、たとえ流星が放射しても分らないだろうと諦めてしまった。世界で誰
もやっていないのは理由があることだ(もっともこの理由かどうかは分らないけれど)。このラジオのいちばんいい利用法を考えていたら、ラジオと同時に買っ
たVHFからSHFまで受信できるディスコーン・アンテナが納戸の隅にあった。これで閃いた、人工衛星の電波を受信してみようと思った。ただ受信してみる
だけでは実用性がないので気象衛星の画像を受信すれば気象解析に役立つだろうと思った。 とにかくやってみようと11月12日、アンテナを屋根に取り付けるのに1時間、アンテナの同軸ケープルを家の中に引き こむためにアルミサッシをヤスリで加工するのに1時間。受信機からパソコンに接続するケーブルも探すと出てきて、買わずにすんだ。
ノイズを少なくしもっと綺麗な画像を得るにはアンテナを変えたほうがいいようだ。NOAAの電波は右回りの円偏波を 使っている。これに適したのはQFH(Quadrifilar Helical)アンテナがいいらしい。塩ビのパイプ1mと銅線または銅パイプが5mもあれば作れそうだ。 一 応何とか受信できるようになったが今回新しく購入したものはアンテナの固定用金具だけで、数百円の出費ですんだ。自分の周りを見渡せばいろいろ転がってい る部品もあれば、何年も使用していない電気機器もある。もう少し頭を働かせれば眠っている物でまた別の心ときめくような体験をすることができるかもしれな い。 それから何度もディスコーン・アンテナで受信を試みたがどうしてもノイズが入る。どうも円偏波のフェージングによるものらしく思えたので、結局QFHアンテナを作ることにした。が、材料費2,000円ほどで作ったもののあまり効果がない。これはど うしたものかと数か月悩んだが、よく分からない。こういうときは悩んでいないで、また新たに作ることだと気持ちを切り替え、更に材料費を落として 1,000円以内でQFHアンテナの2号機を製作した。 その効果はてきめんで、受信音がはっきり強くなったし、受信画像も衛星の高度が15度以上だとほ とんどノイズの影響を受けなくなり、綺麗になった。 せっかくこんな優れた情報源が頭の上にあるのだから仲間にも知ってもらおうと、4月14日の日本気象予報士会・新潟支 部の総会で発表することにした。飲み会前の話題提供といったところだ。
QFH アンテナ2号
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